
ClaudeCode+BlenderMCPを試した人の多くが、「使えない」と感じて帰ってきます。それは正しい観察だと思います。でも、僕が感じた可能性は「作る」ことではなく、「わかる」ことにあります。結論から言うと——MCPはBlenderの通訳でした。
BlenderMCPで「オブジェクトを生成する」という話ではない
ネット上のBlenderMCPデモはほぼ全部「プロンプトで3Dモデルを作る」動画です。「ビルを作って」「街を作って」。これはこれで面白い。でも実際に試すと、有機的な形状は苦手だし、精度も微妙だし、うまくいかないことが多いです。それで「使えない」と判断してしまう人が多い。僕も最初はそう思いました。
でも、そこで止まらないでほしいと思います。別の使い方を探したほうがいい。
MCPで「わかる」——不明点が消えていく感覚
いま、とあるアニメのCGディレクターをしているのですが、どうしてもBlenderのデータを触らないといけない状況になっています。普段はMayaメインの私にとって、Blenderは不慣れなツールです。
困るのは「Mayaのこの機能、Blenderだとどこにあるんだ?」という瞬間の連続です。BlenderMCPを使うと、その場で即答してくれます。ドキュメントを探す手間がゼロになる。これがツールの違いによるストレスを最小限にしてくれました。
さらに驚いたのはデータの不具合発見です。「このシーン、なんかおかしい(でも自信がない)」という感覚を言葉でBlenderMCPに投げると、リグの不具合を具体的に指摘してくれました。会話しているうちに、便利な選択ウィンドウまで作ってくれました。これは「画像生成」とは全く別の話です。
「AIが作る」ではなく「AIと組む」——ベテランのほうが有利な理由
3Dデータを「AIに見せる」ことで見えてくるものがあります。どのオブジェクトが重いか、どこに問題があるか、なぜレンダリングが遅いのか。CG屋としての目と判断力を活かしながら、調査・確認の手間をBlenderMCPに任せます。
むしろベテランのほうが「何を聞くべきか」が分かるぶん、うまく使える気がしています。「AIに仕事を奪われる」ではなく「AIに仕事を手伝わせる」という方向です。
Blenderの「通訳」として
BlenderMCPを「オブジェクト生成ツール」ではなく「Blenderの通訳」として捉え直すと、見え方が変わります。作れないことへの失望より、わかることへの驚きが先に来る。
CG屋が長年培ってきた目と判断力は、AIに取って代わられるものではなく、AIをうまく使うための武器になります。そういう使い方を、もっと現場で試していきたいと思います。Z-FLAGもまだ試行錯誤中です。一緒に考えていきましょう。