私(ひるま)が要請されたのは、CGの背景・観客周りにおけるサブディレクション的な立場でした。大量のカットをすべてこなせるわけはないので他プロダクションへの指示出しと情報の交通整理などもろもろを、CGディレクターを助ける形でやって欲しいと。
ともかく始めたのはワークフローの整理と開発、そして「うた☆プリ」というコンテンツの研究です。
効率を上げることに注力しました。そして作業工程の徹底したマニュアル化とスクリプト化です。
Mayaももちろんですが、AfterEffectsでの作業の効率化が重要でした。
もともとアイドルものは「ラブライブ!」TVシリーズと劇場版でのお仕事の経験があったのですが、男性アイドルとなるとさすがに私には知識もありませんでしたので、私はまず4期あるテレビシリーズを全て見ました。
そうして見ている間に、18人のキャラクターの名前や性格を覚えられるようになってきて、スタッフとの意思疎通がよりスムースにできるようになって来ただけでなく、ファンの気持ちが少しずつ分かってきました。
そして気をつけはじめた事は、当然ながらこの仕事を無事終わらせる事と、「愛」です。
マジです、マジLOVEです。
つまり、ファンに喜んでもらう事が目標となりました。
ワークフローが流れるようになってくると、Z-FLAGのみでやった方が効率的という判断で、他プロダクションへ依頼することなく作業は進められました。
全てをまとめて、編集されたものをチェックする段階でのA-1 Picturesでのミーティングは楽しく進められました。自分たちが入れた素材がどのように合成され結実するのか、またそれに対して監督がどう反応するのかを直接見ることができる、面白い場でした。
アニメにおける合成である「撮影」工程の人達の頑張りは本当にすごかった。
愛のない仕事は、あとで必ず観客に嫌われ、自分自身が後悔することになります。
言われたことだけをやればいいという感じの仕事ばかりしてる人達が多い中で、予算とか時間とか関係なく(もちろん制限はありますが)、喜ばれるものを作りたい。
CG屋として、愛のない仕事はしたくなかった。
そりゃあいろいろありますけど、我々の担当した背景に関してはクオリティと時間と予算の中で、いろんな運命が複雑に重なりながら、いい結果になったと思ってます。悔いのない仕事になりました。
何より嬉しかったことは、興行収入18億円という数字、
そしてtwitterでつぶやかれた沢山のファンからの誉め言葉でした。
Z-FLAGスタッフにとっても思い出に残る仕事になったと思います。本当におつかれさま。
すべて終わった後の酒席で、A-1 PicturesのCGプロデューサー様には、
「いや~Z-FLAGさんに頼んで良かった!」というお言葉を頂きました。
ありがとうございます。CG屋冥利に尽きます。
その晩はついつい、呑みすぎてしまいました(いつもですがw)。
クライアントの皆様、ありがとうございました!
(うた☆プリ全体の紹介や曲ごとの詳細はCG World誌256号の巻頭特集で紹介されています)