シリンダー、ピストン計測
シリンダゲージとマイクロメーターによるピストン、シリンダー径の計測を行う。
とは言え初めての事なので、非常にとまどいながらの作業。
素人がこれをやってどこまで正確な計測ができるのか解らないが、、、
ともかくベストと思える方法でやってみた。(シリンダゲージ基準:54.00mm)
○シリンダ内径、上
シリンダー上面から約10mmの高さで、2方向を計測。
左シリンダ: 54.020mm(EX・INポート方向)/54.020mm(EX・INポート直角方向)
右シリンダ: 54.025mm(EX・INポート方向)/54.020mm(EX・INポート直角方向)
○シリンダ内径、下
シリンダー下面からテキトーな高さ(ポートのない場所)で2方向を計測。
左シリンダ: 54.030mm(EX・INポート方向)/54.025mm(EX・INポート直角方向)
右シリンダ: 54.045mm(EX・INポート方向)/54.030mm(EX・INポート直角方向)
○ピストン外径
EX・INポート方向、上側と下側で計測してみた。
#左ピストン上:53.79mm #左ピストン下:53.92mm
#右ピストン上:53.77mm #右ピストン下:53.92mm
面白いのは、
○シリンダは上より下のほうが磨耗している。
○シリンダはEX・INポート方向(つまり進行方向)の方が、横方向より磨耗している。
○ピストンは下より上の方が磨耗している。
という傾向だ。
さて、ピストンクリアランスをEX・INポート方向、
シリンダーは上側、ピストンは下側のデータで計算してみる。
(ピストン下側データを使うのは、サービスマニュアルでの計測風景の写真がそうなっていたから。)
#左ピストンクリアランス:54.020-53.920=0.100mm
#右ピストンクリアランス:54.025-53.920=0.105mm
サービスマニュアルでの指定は0.050〜0.055mmなので、
どちらも指定値から外れている事になる。
ピストン上側のデータを使ったところでクリアランスは0.2mm以上となり、
どちらにせよピストン交換は確実である。
さて問題は、
シリンダーをボーリングしてOSピストンを組むべきか?
ということである。
シリンダー内の状態。
縦筋はあるが、ツメがひっかかるような類のものではない。
綺麗ではあるが、クロスハッチがほとんど見当たらないのが気になる。
38,000km走ったエンジンにしては、シリンダ内側の磨耗は非常に少ないように感じられる。
錆もほとんど無いので、
もしかしたら無理にボーリングする必要は無いのではないだろうか?
ホーニングのみの場合は、どのくらい内径は減るものなのだろうか?
0.25mmOSピストンを組むことにしてしまえば解決なのだが、
それほどのことでもない気がして、、、
オリジナルのシリンダーの寿命を縮めてしまうような気もして、、、
とはいえ、シリンダー下側のデータからすると、クリアランスがすぐ保てなくなる気もして、、
結局悩んでます。