CGWORLD 2020 クリエイティブカンファレンス(https://cgworld.jp/special/cgwcc2020/)にオンライン参加し、見せていただきました。その中からA-1 Picturesさんと早野海兵さんのセッションを見ての感想と考えについて記します。内容の詳細にまでは触れません。
そもそも参加したのは、前回のCGW JAM ONLINE vol.1 (https://cgworld.jp/special/jam/vol1/)に出展企業として参加したときに、「自分が他のセッションを見てみたいぞ」「他企業の人たちはどんなセッションを準備し演じているのだろう」という興味を強く持ったからです。
A-1さんのセッション(https://cgworld.jp/special/cgwcc2020/schedule/a-1pictures/)はアニメのCGカ制作中に内部で行われたチェックバックとそのやりとりを公開し、内容について詳細な解説をするというものでした。出演されたのは我々Z-FLAGが「うた☆プリ」でお世話になった馴染みのある方々でしたが、他作品でもカット制作中にいかにも発生しそうな、プロであればいかにもあるあるなやりとりが行われてるという実態を垣間見れて楽しめました。題材も有名アニメ作品だし、モデリング・カット制作・テクニカルなシミュレーションとバリエーションもしっかりある。誰もが楽しめる内容だったと思います。最後の福田さんのオチが素晴らしかったw
次に挙げるのは早野海兵さんの講演、画龍点睛ONLINE(https://cgworld.jp/special/cgwcc2020/schedule/garyu/)。
私も業界歴は長いのですが、早野さんとは一度もお会いしたり仕事をしたことはありません。ただCGWORLD誌の連載「画龍点睛」はいつもハイクオリティなCGで素晴らしいなと思っていましたし、また連載を長く続けられてる事には驚嘆させられていました。私も仕事をしながら 作品を作り原稿を書くという体験をした経験があるので、その大変さは理解しているつもりです。本当にすごいと思う。今回のセッションでその手法の一端が垣間見れた気がします。
「良い画とはどういうものか」「どうすればクオリティを上げることができるのか」という事について、とても突き詰めて考え、整理し、言語化している。そして何よりそのプロセスを楽しんでいる、という事が伺えました。日々観察、そして仕事以外の生活はすべて勉強となりうるのだという精神はとても納得のいくものです。我が意を得たり、という気持ちです。きっと時間の使い方も私なんかよりずっと上手いのでしょう。やはりな、流石だなと思います。彼こそ本物のCG屋と言えるでしょう。
両方のセッションに共通するメッセージがあったように思います。相手に寄り添う心、良いものを作ろう、吸収しよう、挑戦しようという気持ち、そして「言語化」が結果として良い循環を生む。これは私が常に思い、言っている事とも共通するものです。この精神はウチのチームでもさらに浸透させ、実践していくべき事と思います。
良く練られたクオリティの高い講演が多いのですね。現場の生の声、最新の情報を家に居ながらにして得ることができる。ちょっと昔では考えられなかった事です。逆に自分が発信するときにはどんなものが期待されてしまうのか。それを考えると怖くもあります。
今に生きる人、特に若い人は幸せですね。その気になればネットづてでかなりの勉強ができてしまう。CG業界そのものの成熟を感じます。これは逆に言えば、CG系専門学校の存在意義も薄くなりかねない事態とも思います。
学校にいるいないじゃありません。地方にいるいないでもありません。年齢も住む場所も関係ない。常日頃からCGや映像の事を考え、切磋琢磨して、それをしっかり表せる者にこそ道が開けます。業界の皆さん、がんばりましょう!
と、毒にもクスリにもならなそうなトークで終わります。ではまた。